長く続いているシリーズの二作目を見ようとしたら、候補が三つ並んでいた。数字のついた続編、同じ世界の別の人物を追うスピンオフ、それに時代をさかのぼった前編。どれを先に見ても話はつながるらしいと説明にはあったが、その「つながる」がどの程度なのかは開いてみないと分からない。
結局そのときは適当に選んで、あとで順番を間違えたと気づいた。似たような失敗を何度かやったあとで、自分なりの決め方が固まってきたので書いておく。結論だけ言えば、公開順を基本にしつつ、条件がそろったときだけ時系列に切り替えている。
先に結論:どちらが向くか
自分の経験だと、こういう分かれ方になった。
公開順が向く場合
- そのシリーズを初めて見る
- 作中で「実は過去にこんなことが」と明かされる場面を楽しみたい
- 映像の作りが古い順に進むのが気にならない
- どこまで続くか分からない、まだ完結していないシリーズ
時系列が向く場合
- 一度は公開順で通して見たことがある
- 人物の関係が多くて、頭の中で整理したい
- 家族や友人と話を合わせるために、出来事の順番を押さえたい
- 前編が後から作られた作品で、そこだけ独立して見られる
公開順で見たときに起きたこと
最初のシリーズは素直に公開順で見た。良かったのは、作り手が仕掛けた驚きがそのまま届いたことだ。三作目で明かされる過去の事情を、こちらは何も知らずに見ているので、登場人物と同じタイミングで驚ける。時系列で先に見ていたら、この場面はただの確認作業になっていたと思う。
一方で困ったのは、映像の質が回を追うごとに変わることだった。一作目は画面が暗くて粗く、細かい表情が読み取りにくい。四作目まで来ると別の作品のように見える。ここで気持ちが途切れかけた。画面の設定をいじって見やすくする手もあるが、それは画質にこだわるなら知っておきたいVODのポイントのほうで別に書いた。
時系列で見直して分かったこと
一通り見終えたあと、同じシリーズを時系列で並べ直して見返してみた。こちらは驚きがない代わりに、人物の変わり方がはっきり見える。若いころに一度だけ出てきた脇役が、後の作品で重要な役になっている、といったつながりが素直に追える。
ただ、二周目でないと成り立たない見方だとも思った。時系列で最初に見ると、後から作られた前編のほうが情報が整理されすぎていて、本編の謎が謎として立ち上がらない。順番を変えるのは、一度通した後のごちそうに近い。
順番が効く作品と、どちらでもいい作品
全部のシリーズで順番を悩む必要はなかった。見分ける目印はだいたいこのあたりに出る。
- 順番が効く:同じ人物が続けて出る/前作の結末が次作の前提になっている/連番がふられている
- どちらでもいい:一話完結が積み重なる形式/主人公が作品ごとに変わる/舞台だけ共通で人物は無関係
- スピンオフは後回しでいい:本編の脇役が主役になる作りが多く、本編を知っていたほうが素直に面白い
スピンオフを先に見て損をしたことが一度ある。本編では最後まで隠されている人物の素性が、スピンオフでは最初から前提として語られていた。作品に罪はないが、見る順番でこちらが損をした。
迷ったときに見ている三つ
配信側が並べている順番をまず見る
シリーズの一覧ページで、配信側がどう並べているかを確認する。公開順に並んでいることが多いが、作品によっては時系列で並べ直されている。並び順の切り替えができる場合もあるので、そこで何順になっているか一度見ておくと、途中で混乱しない。
制作年を一つずつ確かめる
タイトルに番号がついていないシリーズは、制作年を見るのが一番早い。作品情報に必ず出ているので、そこを並べれば公開順が分かる。前編が本編より後に作られていることも、この方法ならすぐ気づける。
全部そろっているかを先に数える
これで一度痛い目を見た。三作目まで見たところで四作目が配信されていないことに気づいて、そこで止まった。順番を決める前に、見たい範囲がその配信サービスに全部あるかを数えておくほうがいい。途中の一本だけ扱いがないシリーズは意外とある。
よくある疑問
途中の作品を飛ばしても平気か
連番のシリーズだと、飛ばした分がそのまま分からなくなることが多かった。ただ一話完結型なら、間を抜いてもあまり困らない。飛ばすかどうかは、前作の結末が次作の冒頭で前提にされているかどうかで判断している。
原作がある場合は先に読むべきか
これは映像の順番とは別の話で、自分は分けて考えている。読む順番のほうは原作つきの作品を先に読むか後に見るか、自分なりに決めた順番に書いた。
間が空いてしまったときはどうするか
前の作品を見てから一年以上たっていると、順番の話より記憶の話になる。その場合は最初から見直すのではなく、あらすじを読んで思い出すやり方にしている。手順は海外ドラマの新シーズン前にあらすじを読み返すようになった習慣のほうにまとめた。
いま落ち着いているやり方
初見は公開順、見返すときは時系列。スピンオフは本編を終えてから。この三つを決めてからは、作品一覧の前で止まる時間がほとんどなくなった。決め方を持っていないと、見る前の選択そのものが疲れる作業になる。順番の正解はおそらく作品ごとに違うが、自分の中の初期設定を一つ持っておくだけで、迷う回数はかなり減った。

