10年以上前に途中で止まったまま放置していた海外ドラマがあります。全7シーズンのうち、見たのは3シーズン目の半ばまで。配信で全話そろっているのは知っていながら、開くたびに「今から追いつくのは無理だ」と閉じていました。
止まった理由は面白くなかったからではなかった
思い返すと、止まったのは引っ越しの時期でした。当時は放送を追いかけていて、生活が変わったタイミングで単純に見られない週が続き、そのまま戻れなくなっただけです。作品への興味が失せたわけではありませんでした。
それなのに再開できなかったのは、残りの話数を数えてしまうからです。1話45分が四十数話。合計すると三十時間を超える計算で、その数字を見た瞬間に腰が引けていました。
全部を見なくてもいいことにした
踏ん切りがついたきっかけは、「最後まで見なくてもいい」と決めたことでした。完走を目標にすると三十時間の壁と向き合うことになりますが、「とりあえず次の1話」なら45分の話です。
止まっていた回から再生して、面白くなければそこでやめる。そう決めて開いたら、思っていたより自然に入り込めました。話の筋を忘れていたのは事実ですが、細部が分からなくても大筋は追えるものです。
思い出す作業に時間をかけすぎない
再開にあたって、前のシーズンを見返すべきか迷いました。結論としては見返していません。代わりに、あらすじをざっと読んで登場人物の関係だけ確認しました。この方法は新シーズン前にあらすじを読み返す習慣としてすでに使っていたもので、今回のような長いブランクにも通用しました。
むしろ、細かいところを完璧に思い出そうとするほど再開が遠のきます。分からない名前が出てきたらその都度調べればよくて、事前に準備を整えようとするから始められないのだと気づきました。
結果として、そのドラマは2か月かけて最終話まで見終わりました。10年放置していたわりに、あっけない幕切れです。見るペースの決め方については短編作品だけ見る週をつくった話にも書きました。長く止まっている作品ほど、再開の一歩を小さくしておくのが効くようです。
途中で二度止まりかけた
順調に進んだわけではなく、再開してからも二度ほど止まりかけています。一度目は4シーズン目の中盤で、明らかに話の密度が落ちる区間に入ったときでした。ここで「やっぱり無理かもしれない」と思ったのですが、飛ばさずに倍速で通したら次の山まで持ちこたえられました。
二度目は6シーズン目の頭で、主要人物が一人抜けたところです。こちらは単純に気持ちの問題で、数日空けてから戻りました。無理に連続させず、間を置くのを許したのが良かったのだと思います。
長い作品ほど「今日の分」を小さくする
今回のことで学んだのは、残量を意識した瞬間に手が止まるということでした。四十話という数字を見ると気が遠くなりますが、目の前の1話は45分でしかありません。
だから今は、長い作品に取りかかるときほど、進捗を数えないようにしています。何話まで来たかを確認するのは、シーズンが切り替わるときだけと決めました。数えないほうが結果的に進む、というのは自分でも意外でした。
放置している作品が他にもいくつかあるので、同じやり方で順に片付けていくつもりです。まずは止まった回を開くところまで、と考えると気が楽になります。
途中でやめた作品を再開するかどうか
十年越しの一本を見終えたあと、同じ判断をほかの作品にも当てはめるようになった。
再開するかどうかを決める手順
迷う時間がもったいないので、順番で機械的に判断するようにしています。
- 止まっている話数を見る。一話か二話で止まったものは、合わなかったと判断して消す
- 半分以上進んでいたものは、最後に見た回のあらすじだけ読み返す
- 読み返して場面が思い出せたら再開する。思い出せなければ最初から見る価値があるか考える
- 最初から見直す気力がないなら、そこで終わりにする
三番目で引っかかる作品が意外と多く、「面白かったはずなのに何も覚えていない」というものは、たいてい自分には合っていませんでした。
止まる理由は作品側にないことが多かった
並べてみると、止まった時期が仕事の忙しい月に集中していました。作品がつまらなかったのではなく、続きものを追う余裕がなかっただけです。そう考えると、今の自分に余裕があるかどうかで判断したほうが早いと気づきました。
やめると決めた作品の扱い
リストから消すのに抵抗がありましたが、残しておくと見るたびに小さな負い目になります。消したあとで「やっぱり見たい」と思ったことは一度もありませんでした。
途中でやめた作品を抱えたままにしないと決めてから、一覧を開くのが気楽になりました。
再開しやすくするためにやっていること
止まった作品を減らすには、止まったあとの対処より、止まりにくくするほうが早いと気づきました。今は見終わった回の最後に、一行だけ「誰がどうなったか」を書き残しています。長く書くと続かないので、本当に一行だけです。
これがあると、数か月空いても再開の入口になります。あらすじを読み返すより早く、自分の言葉なので記憶とつながりやすいです。実際、この記録を始めてから途中で消える作品はかなり減りました。
一気に見るか、間を空けるか
途中で止まりやすい作品には傾向があって、私の場合は登場人物が多いものと、一話ごとの区切りが弱いものでした。こういう作品は、間を空けると確実に迷子になります。逆に一話完結に近いものは、何か月空いても戻れます。
なので最近は、始める前に「これは間を空けられる作品か」を考えるようにしました。空けられない作品は、まとまった時間が取れそうな週まで待ちます。始めるタイミングを選ぶだけで、途中で止まる確率はずいぶん下がりました。
区切りを決めてから変わったこと
いちばん変わったのは、新しい作品を始めるときの気持ちでした。途中でやめても処理の仕方が決まっているので、合うかどうか分からない作品にも手を出しやすくなっています。終わらせ方を決めておくと、始めるほうが軽くなる、というのは予想していませんでした。
止まった作品が二十本近く並んでいた頃は、リストを開くたびに気が重くなっていました。今は数本しか残っていません。整理したというより、ためない仕組みにしたという感覚に近いです。


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