作品名がうろ覚えで探せないときの手がかり|検索で出ない場合も

「たしか主人公が船に乗ってる映画で、雨のシーンから始まるやつ」。この程度の記憶しかない状態で作品を探し始めて、結局その日は見つけられませんでした。タイトルはおろか、俳優の名前も出てこなかったのです。

思い出せない作品の手がかりは、そのとき頭に浮かんだ断片を書き留めておけるかどうかで決まりました。いまは手のひらに収まるポケット付きのメモ帳を持ち歩いて、気になった場面をその場でメモしています(別の通販サイトの取り扱いページもあります)。

検索窓に打ち込む言葉が思いつかない

配信サービスの検索は、基本的にタイトルか出演者の名前を入れる前提で作られています。うろ覚えの場面だけが頭にある状態だと、そもそも入力する言葉がありません。ジャンルで絞っても候補が数百件出てきて、上から順に眺めているうちに面倒になって閉じてしまいました。

その日は諦めたのですが、数週間後にまったく別の作品を見ていたら予告編で流れてきて、あっさり判明しました。探していた時間はいったい何だったのか、という気分です。

結局たどり着いたのは記憶の周辺からだった

その一件のあと、うろ覚えの作品を探すときの手順を自分なりに決めました。作品そのものを直接探すのではなく、記憶の周辺から埋めていくやり方です。

  • いつ頃見たかを先に思い出す。年代が絞れると候補が一気に減る
  • 誰と、どこで見たかを思い出す。テレビ放送だったのか、映画館だったのかで探す先が変わる
  • 覚えている場面を文章にして書き出す。声に出すと細部が出てくることがある
  • 同じ雰囲気の作品を1本見る。似た作品が並ぶ棚に本命がいることが多い

特に効くのが最後の項目でした。おすすめ欄は似た傾向の作品を並べてくるので、近い1本を再生するだけで周辺が芋づる式に出てきます。おすすめ欄の使い方については気分別にプロフィールを分けた話でも触れました。

探す時間に上限を決めた

もう一つ変えたのが、探す時間そのものです。以前は見つかるまで粘っていましたが、今は15分で切り上げると決めています。見たい気持ちがあるうちに別の作品を再生したほうが、その夜は満足して終われるからです。

見つからなかったものはメモに残して、思い出したときに追記する扱いにしました。急いで結論を出さなくても、こういうものはたいてい別のきっかけで向こうからやってきます。実際、冒頭の作品もそうでした。

探し物に時間を溶かすくらいなら、その時間で1本見たほうがいい。遠回りをしてようやくそこに落ち着きました。作品が見つからないとき全般の話はあとで見るリストを整理した記事にも書いています。

探し方を変えて実際に見つかった例

この手順が効いたのは、学生の頃に深夜放送で見た邦画を探したときでした。タイトルも監督も分からず、覚えていたのは商店街の場面と、主人公が自転車を押している画だけです。以前ならここで詰んでいました。

今回は先に年代から入りました。深夜放送で見たということは、放送されたのはその数年前の作品だろうと当たりをつけて、範囲を五年ほどに絞ります。その上で、雰囲気の近い作品を1本再生して、おすすめ欄に出てきた並びを眺めました。三つ目か四つ目に、探していた作品の背表紙のような画が並んでいたのです。

所要時間はおよそ12分でした。以前に一度、同じ作品を1時間以上かけて探して見つけられなかったことを思うと、順番を変えただけでずいぶん違うものだと感じます。

それでも見つからないものは寝かせる

もちろん、この手順でも見つからない作品はあります。そもそも配信されていない場合や、記憶自体が混ざっていて別の作品と合体している場合です。後者は自分で確かめようがないので、深追いしても仕方がありません。

メモに残して寝かせておくと、半年後くらいに人と話していて解決することがあります。探すのを一度やめるのも手のうち、というのが今の実感です。

開いたノートと付箋、ペン、スマートフォンを並べた机の上

検索でたどり着けないときの抜け道

題名を覚えていても、検索の仕方が合わずに出てこないことがあります。

まず試す順番

  1. 覚えている単語をひとつだけ入れる。長く入れるほど当たらない
  2. 出演者の名前で探す。題名より思い出しやすいことが多い
  3. 監督や制作会社から一覧をたどる
  4. 配信サービス内で見つからないなら、外部の作品データベースで正式な題名を調べてから戻る

四番目が効きます。サービス内の検索は表記のゆれに弱いことがあり、正式な題名さえ分かれば一発で出ることが多いです。

それでも出ないときに疑うこと

探し方が悪いのではなく、そもそも配信されていない場合があります。以前、記憶の中では見られるはずだった作品が、契約しているサービスでは配信終了していたことがありました。ここを疑わずに探し続けると、時間だけが溶けます。

今は三分探して出なければ、配信状況をまとめて調べられるサイトで確認するようにしています。そこで扱いがなければ、その日は諦めて別の作品にします。

探す時間を減らすためにやったこと

そもそも探す回数を減らすほうが早いと気づき、気になった作品はその場で保存するようにしました。あとで探すという前提をやめただけで、探し物の時間はかなり減っています。

検索が効かない理由を三つ知っておくと早い

表記のゆれ

中黒の有無、長音の有無、漢字か仮名か。このあたりが違うだけで出てこないことがあります。ひとつの単語だけで検索するのが有効なのは、ゆれの影響を受けにくいからです。

副題で登録されている

シリーズものだと、こちらが覚えている呼び名ではなく、正式なシリーズ名と副題の組み合わせで登録されていることがあります。この場合はシリーズ名で探して一覧から選ぶほうが早いです。

そもそも扱いがない

いちばん多いのがこれでした。契約しているサービスに無いものを、探し方を変えて何度も叩いていただけ、ということが何度もありました。

探し疲れたときに決めているルール

三分で切り上げる、というのを自分の決まりにしています。見つからないまま探し続けると、その日は結局何も見ずに終わることが多いからです。切り上げたあとは、保存してある候補から選びます。探し物をしている時間と、作品を楽しむ時間は別物だと割り切りました。

探す前にできる準備

結局のところ、探す技術を磨くより、探さなくて済む状態を作るほうが効きました。気になった瞬間に保存する、題名が曖昧なら出演者だけでもメモしておく。この二つで、あとから探す場面そのものがかなり減っています。

それでも探す羽目になるのは、人から聞いた作品を後日思い出そうとするときです。ここだけはどうしようもないので、聞いたその場でメモを取るようにしました。会話の途中で手を動かすのは少し失礼な気もしますが、忘れて聞き返すよりはましだと考えています。

忘れる前に残しておくと効く手がかり

探す側の工夫だけでなく、忘れる前に何を残しておくかでも変わってきます。

効かなかった残し方

最初にやったのは、題名だけをメモに並べることでした。これはほとんど機能しませんでした。あとで見返しても、なぜそれを入れたのか思い出せないからです。結局リストが長くなるだけで、選ぶのはむしろ難しくなりました。

効いた三つの手がかり

どこで知ったかを添える

「友人が話していた」「予告を見た」の一言を付けるだけで、当時の興味がよみがえります。題名より、知ったきっかけのほうが記憶に残っているようです。

見たい気分を一語で書く

「静かなやつ」「頭を使わないやつ」といった雑な一語を添えておくと、選ぶときに絞り込めます。作品の分類ではなく、自分の側の条件で並べ替えられるのが利点でした。

いつまでに見るかを書く

配信終了が決まっているものは日付を入れます。期限のあるものとないものが混ざっていると、どれも急ぎでないように見えてしまうので、ここを分けるだけで手が動きます。

結局、長いリストは要らなかった

手がかりを足すようにしたら、自然とリストは短くなりました。書くのに少し手間がかかるぶん、本当に見たいものしか入れなくなったからです。数を増やすより、一件あたりの情報を厚くするほうが、結果として選ぶのが速くなりました。

どこに残すかも試した

手がかりの内容と同じくらい、どこに書くかも効きました。配信サービス内の保存機能は便利ですが、サービスをまたいだ作品を並べられません。複数のサービスを使っていると、結局どこに入れたか分からなくなります。

今は、サービスに関係なく一か所のメモにまとめています。見るときはそこだけ開けばよく、どのサービスで配信されているかは、そのつど調べる形にしました。手間は増えますが、探し場所が一つに決まっている安心感のほうが大きいです。

定期的に消す日も決めた

手がかりを足す運用にしても、時間が経てば興味は薄れます。月末に一度、上から読み直して「今も見たいか」で判断し、そうでないものは消しています。消すことに抵抗はありましたが、残しておいても開かないので同じでした。

結果として、手元には十件前後しか残っていません。少ないほうが、迷わずに選べます。思い出せないことが問題だと思っていましたが、実際には選択肢が多すぎたのだと今は考えています。

思い出せないこと自体は責めない

手がかりを整えていて気づいたのは、思い出せないのは記憶力の問題ではなく、興味が薄れただけの場合が多いということです。本当に見たいものは、手がかりがなくても思い出せます。逆に言えば、思い出せないものは無理に掘り起こさなくていいのだと思います。

そう考えるようになってから、メモを見返すのが気楽になりました。取りこぼしを防ぐための道具ではなく、今の自分が何を見たいか確かめるための道具、という位置づけに変わっています。

どのサービスにも見当たらないとき

探し方の問題ではなく、そもそも扱いがない場合の話も書いておきます。

まず配信状況をまとめて調べる

作品名と「配信」を並べて検索すると、どこで配信中かをまとめて載せているページが出てきます。個人のブログもあれば作品の公式ページもありますが、更新が止まっているものも多いので、日付を見て新しいものだけを信用するようにしています。ここで当たりが付けば、あとはそのサービスを開くだけで済みます。

公式の情報が残っているなら、そちらが確実です。放送や公開から時間が経った作品ほど、権利の関係で配信先が入れ替わっています。去年見られた場所に今年もあるとは限らない、というのは何度か経験しました。

見放題以外の選択肢も並べて考える

見放題の対象になっていなくても、一本ずつ課金するレンタル形式なら置いてあることがあります。私はここを長らく見落としていました。月額に含まれていないと分かった時点で諦めていたのですが、数百円で済むなら、そのために別のサービスを新規契約するより安く済みます。

それでも見つからない場合は、円盤で借りる方法が残っています。旧作や、配信では権利が切れてしまった作品はこちらのほうが強いです。届くまで数日かかるので、その夜に見たいという話ではなくなりますが、どうしても見たい一本ならこの遠回りは苦になりませんでした。

最終的に見つからないこともあります。そのときは、あきらめる前に作品名を通知の対象に登録しておきます。数か月後にふいに配信が始まって、知らせが届いたことが二回ありました。探す時間を毎回かけるより、待つ側に回してしまったほうが結果的に早いです。

探す前に決めておくとラクなこと

やってみて分かったのは、探す作業そのものより「どこまで探したら諦めるか」を先に決めておくほうが効くということでした。私は十分と決めています。十分で見つからなければ、その夜はきっぱり別の作品にします。この線を引く前は、結局一時間近く検索して、何も見ないまま寝た日が何度かありました。

もう一つは、探した結果をメモに残すことです。「この作品はどこにもなかった」「これはレンタルなら二百円台であった」と一行ずつ書いておくと、同じ作品を半年後にまた一から探す無駄がなくなります。私は作品名の横に調べた日付だけ添えています。一年も経てば配信先は変わっているので、古い記録は当てにせず調べ直すという判断もその日付でつけられます。

この探し方に切り替えてから、「見たいものがない」と言いながらだらだら一覧を眺める時間が減りました。何を見るか自体で迷いやすい人は、吹き替えの声から次に見る作品を決める選び方のように入口を一つ決めてしまうのも手ですし、時間の使い方から整えたいなら週末のまとめ見に時間割を決めた手順のほうが効きます。

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