今日は何を見ようか。そう考え始めてから結局何も見ずにアプリを閉じる、そんな夜が続いていた時期があった。見たい作品が決まらず、延々とサムネイルをスクロールするだけで満足してしまう、いわゆる「VOD迷子」の状態だ。そこで視聴履歴とレコメンド機能をきちんと活用してみることにした。
視聴履歴を正直につけると精度が上がる
気分転換で普段見ないジャンルを試すと、その後のおすすめがしばらく的外れになることに気づいた。興味本位で開いた作品も履歴に残ってしまうため、レコメンドの精度を保つには、視聴履歴を定期的に見直して興味のない履歴を削除するのが効果的だった。子どもと一緒に見たアニメの履歴が自分のおすすめに混ざってしまうのも、プロフィールを分けるまでは地味な悩みだった。
「あとで見る」リストを整理するだけで選ぶ時間が減った
気になった作品をとりあえず登録するリストが膨れ上がっていたのだが、月に一度棚卸しをして興味が薄れた作品を消すようにしたら、レコメンドの精度も上がり、迷う時間が大幅に減った。登録した時期が古い作品ほど、実際に見たいと思う熱量が下がっていることにも気づかされた。
さらに、評価機能で見た作品に星をつける習慣をつけてからは、レコメンドの当たり率が体感でかなり上がった。特にドラマとバラエティを同じアカウントで見ていると精度が混ざりやすいので、家族それぞれのプロフィールを分けてからは、自分向けのおすすめだけが並ぶようになって選びやすくなった。
結局、レコメンド機能は放置していても勝手に賢くなるわけではなく、こちらが履歴とリストを整えてあげて初めて力を発揮するのだと実感した。今では「今日は何を見ようか」で悩む時間がかなり短くなっている。
もう一つ効果を感じたのは、レコメンドに出てくる作品を「興味なし」で明示的に除外できる機能だ。何となくスルーするだけでは学習されにくいようで、はっきり不要だと伝えることで、次からのおすすめの精度が目に見えて上がった。
時間帯によって見たいジャンルが変わることにも気づき、朝は軽めのバラエティ、夜は集中して見られるドラマというように、視聴履歴のパターンが自然とできあがっていった。アプリ側もそれに合わせて時間帯別のおすすめを出してくれるようになり、迷う時間がさらに減った実感がある。
振り返ってみると、レコメンド機能に不満を感じていたのは、機能そのものの精度が低いからではなく、自分が履歴やリストを放置していたことが原因だった。少し手をかけてあげるだけで返ってくるものが大きく変わるという意味では、植物の世話に少し似ているのかもしれないと思う。
今では新しいシーズンが配信されるたびに、まずレコメンド欄をざっと確認してから、気になったものだけをリストに加えるという流れが定着した。以前のように無限にスクロールし続けることもなくなり、視聴そのものに使える時間が増えたのが一番の収穫だった。
レコメンドと点数評価のどちらをどこまで信じるか、という話もレビューの点数をあてにしなくなってから決めている作品選びの優先順位に書いてある。
気分ごとにプロフィールを分ける
履歴を整えるだけでは足りないと感じて、もう一段踏み込んだのがこれだった。
家族用ではなく、自分の気分で分ける
プロフィール機能は本来、家族それぞれに用意するためのものだと思っていた。ただ、同居人がいない環境でも枠は複数作れる。そこで用途別に三つ用意してみた。
- じっくり見る用:映画と、話数の多い海外ドラマ専用。
- ながら見用:作業中や家事中に流すバラエティ、ドキュメンタリー。
- 寝る前用:一話が短いアニメや、何度も見返している作品。
分けてから二か月ほどで、それぞれのホーム画面の顔つきがはっきり変わってきた。特に効果が大きかったのは「じっくり見る用」で、ながら見の履歴が混ざらなくなったぶん、以前なら埋もれていた重めの作品が上に出てくるようになった。逆に「ながら見用」は軽い番組ばかりが並び、選ぶのに悩まなくて済む。
続けるうえで面倒だった点
いいことばかりではない。最初の一か月は、起動するたびにどのプロフィールを選ぶか考えるのが地味に煩わしかった。今日は集中して見るのか、流すだけなのか、開いた時点では自分でも決まっていないことが多い。慣れるまではとりあえず「ながら見用」に入って、途中で切り替えることもあった。
もうひとつ、視聴の続きがプロフィールごとに分かれる点は注意がいる。ながら見用で途中まで見た作品を、後日じっくり見る用で探しても続きから再生されない。同じ作品を両方で見るような使い方をするなら、この分断は面倒に感じるはずだ。自分は「一度どちらかで見始めた作品は最後までそちらで見る」と決めて回避している。
それと、プロフィールを分けた直後は、新しい枠のおすすめ欄がほとんど空に近い状態になる。履歴がゼロなのだから当然なのだが、最初の一、二週間は「分けたせいで使いにくくなった」と感じるはずだ。実際、自分も一度もとに戻そうかと考えた。まともに機能し始めたのは、それぞれの枠で十本ほど見終えたあたりからだった。効果を判断するなら、少なくとも一か月は続けてからのほうがいい。
サービスによっては作れるプロフィール数に上限があるので、契約しているところが何個まで対応しているかは先に確認しておきたい。複数のサービスを使い分けている場合は、全部で同じ分け方をそろえておくと迷いにくい。
ついでに、ながら見用のプロフィールでは倍速再生を既定にしてしまった。用途がはっきりしている枠なら、こうした設定もまとめて寄せられる。
おすすめ機能そのものが優秀になったわけではないと思う。ただ、渡す情報を整理してやれば、返ってくる結果はここまで変わるらしい。今のところ、作品を探してさまよう時間はだいぶ短くなってきた。


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