サウンドバーはいらない?置いて変わった点と、見送っても困らなかった理由

夜中に映画を見ていて、台詞が聞き取れないのに効果音だけやたら大きい。この落差に嫌気がさして、サウンドバーの購入を半年ほど本気で検討しました。値段を調べ、設置場所を測り、店頭で何度も聞き比べて、最終的には買いませんでした。買わなかったこと自体を後悔していないので、どこで踏みとどまったのかを書いておきます。

先に断っておくと、サウンドバーが悪いという話ではありません。私の見ている時間帯と部屋の条件に合わなかっただけです。結局選んだのはこちらでした。

  • ネックスピーカー:肩に載せて使うスピーカー。深夜でも音量を上げずに台詞が聞き取れる

買ったほうがいい人と、見送っていい人

調べていくうちに、この機器が効くかどうかは音質の好みより生活時間で決まると分かってきました。

買ったほうがいいのは、こういう人です。

  • 家族や同居人と一緒に、同じ画面を見る時間が長い
  • 昼から夜の早い時間に見ることが多く、音量を出せる
  • テレビの前に、バーを置ける横幅と奥行きが確保できる
  • 耳をふさぐ機器が苦手で、長時間つけていられない

逆に、見送っていいと思ったのはこういう人です。

  • 見るのがほとんど深夜で、そもそも音量を上げられない
  • 一人で見る時間が大半を占めている
  • テレビ台の上がすでに埋まっていて、置き場所を作るところから始まる
  • 集合住宅で、低音の響きを気にしながら見ている
夜のリビングでテレビを見ているところ

踏みとどまった五つの理由

検討をやめた理由は、どれも音の良し悪しとは別のところにありました。

深夜は結局、音量を上げられない

台詞が聞き取りやすくなる仕組みは魅力的でしたが、私が見るのは家族が寝たあとの時間帯です。どれだけ再現性が上がっても、出せる音量の上限が低ければ恩恵は限られます。ここに気づいた時点で、優先順位がかなり下がりました。

置き場所を作るところから始まる

テレビ台の上には録画機器と小物が並んでいて、横幅を測ったら十センチ足りませんでした。台ごと買い替えるか、壁に取り付けるかの二択で、本体以外の費用と手間が乗ってきます。ここを計算に入れていない見積もりは、あてになりません。

低音が床を伝う心配が消えなかった

集合住宅なので、下の階への響き方が気になりました。低音を控えめにする設定はあるようですが、控えめにするなら何のために買うのか、という堂々巡りになります。戸建てなら結論は違ったと思います。

店頭で聞いた音は、家の音ではない

売り場は広くて天井が高く、家のリビングとはまるで条件が違います。良いと思った機種が自分の部屋で同じように鳴るとは限らないのに、その差を埋める方法が見つかりませんでした。返品できる条件を確認しておけばよかったと、あとから思っています。

配線と電源が一本増える

テレビ裏の配線はすでに手を入れたくない状態で、そこにもう一本足すのかと考えると気が重くなりました。地味ですが、こういう面倒くささが最後のひと押しを止めます。

代わりにやって、効いたこと

買わない代わりに、手持ちの範囲でできることを順に試しました。効果があった順に並べます。

肩に載せるタイプのスピーカーに替えた

最終的に落ち着いたのがネックスピーカーでした。耳元で鳴るので小さな音量でも台詞が届き、部屋の外にはほとんど漏れません。耳をふさがないので、途中で話しかけられても気づけます。ただし肩に載せる違和感や充電の手間はあるので、万能ではありません。

テレビ側の音声設定を見直した

音量の差を抑える設定と、台詞を聞き取りやすくする設定が最初から入っていました。買う前にここを触っていなかったのが、そもそもの見落としです。設定を変えただけで、聞き返す回数がはっきり減りました。

字幕を常時表示にした

聞き取れない前提で字幕を出しておけば、音量を上げる必要がなくなります。最初は画面が煩わしく感じましたが、一週間もすれば気にならなくなりました。

テレビの音声設定画面を操作するリモコン

店頭で聞き比べて分かった二つのこと

検討期間の半分くらいは、家電量販店の売り場で過ごしました。結論としては買わなかったわけですが、その時間が無駄だったとは思っていません。分かったことが二つあります。

比べるべきは音質ではなく、台詞の聞き取りやすさだった

最初は迫力や低音の出方ばかり気にしていましたが、そもそも私の不満は「台詞が聞こえない」の一点でした。そこに気づいてからは、売り場でも静かな会話の場面だけを流してもらうようにしました。判断軸を自分の不満に合わせると、候補は一気に絞れます。派手に鳴る機種ほど魅力的に聞こえますが、それは私が解決したかった問題とは別の話でした。

売り場の音量は、家では出せない大きさだった

気になって店員さんに聞いてみたところ、展示の音量は家庭で出す想定よりかなり大きめとのことでした。周囲の雑音に負けないようにするためで、当然といえば当然です。ただ、その音量で良いと感じた機種が、深夜に小さく鳴らしたときも同じ印象かというと、そこは保証されません。家に近い条件で試す方法がない限り、店頭の印象だけで決めるのは危ういと感じました。

もしどうしても音で比べたいなら、短期間だけ借りられる仕組みを使うか、返品の条件を先に確認しておくのが現実的だと思います。私はそこまでの手間をかける気になれず、それが最後の決め手になりました。

買う前に測っておきたい三つの数字

もし今から検討する人がいるなら、価格を調べる前にこの三つを測るほうが早いと思います。

  1. テレビ台の上で、実際に空いている横幅と奥行き
  2. 自分がふだん出している音量の数字と、出せる上限の数字
  3. 一週間のうち、家族がいる時間帯に見ている割合

三つ目が半分を超えるなら、買う価値は十分にあると思います。私の場合は二割以下でした。

それでも、いつか買うとしたら

見送ったとはいえ、条件が変われば結論も変わります。引っ越して戸建てになったり、家族と一緒に見る時間が増えたりしたら、そのときは改めて検討するつもりです。今回いちばんの収穫は、機器を増やす前に手持ちの設定を見直すという順番を覚えたことでした。

テレビ台の幅をメジャーで測っているところ

実際に置いてみて変わったこと

見送った側の話だけでは片手落ちなので、一度置いていた時期に何が変わったかも残しておきます。

セリフの聞き取りやすさが劇的に改善した

内蔵スピーカーだと小さな音のセリフが聞き取りにくく、字幕なしでは厳しい場面が多かったのですが、サウンドバーにしてからは声がはっきり聞こえるようになりました。置いたのは実売2万円台の2.1chモデルで、専用のサブウーファーが低音を受け持ってくれるおかげで、爆発音や足音の迫力もはっきり変わりました。深夜はワイヤレスイヤホンと併用して、時間帯で使い分けています。人の声の帯域だけを持ち上げるモードがあり、音量を上げなくても会話が聞き取れるのも気に入っています。

設置は思ったより簡単だった

配線が面倒そうで後回しにしていましたが、HDMIを一本つなぐだけで済むモデルを選んだので、設置は10分もかかりませんでした。テレビ側の設定でARCという機能をオンにするだけで、リモコン一つでテレビとサウンドバーの音量をまとめて操作できるようになったのも助かっています。棚の奥行きが狭くても置ける小さめのサイズを選んだので、部屋の邪魔にもなりませんでした。

映画のオープニングで流れる音楽の重なりが、内蔵スピーカーでは潰れて一枚岩のように聞こえていたのに対して、サウンドバーを置いてからは楽器の分かれ方まで感じ取れるようになりました。同じ作品を見ているはずなのに、まったく違う体験になったのには正直驚きました。効果音のある場面では、部屋の左右から音が回り込んでくる感覚まであり、映画館とまではいかなくてもかなり近い没入感があります。

手頃な値段のモデルから選べるので、テレビ本体を買い替えるより先に、まずサウンドバーを試してみるほうが割安だと今では思っています。もっと早く置けばよかったというのが率直な感想です。

Bluetoothでスマホの音楽を流せる機能もついていたので、VODを見る以外の場面でも出番があります。休日の昼間に音楽を流しながら家事をすることも増え、想定していた以上に使っています。

唯一気になったのは、サブウーファーの置き場所によって低音の響き方がかなり変わることです。床に直接置くと響きが強すぎたので、少し高さのある台の上に移したところ、ちょうどいいバランスに落ち着きました。置き場所の微調整も含めて楽しめる製品だと思います。

もう一つよかったのは、音量そのものを上げなくても迫力を感じられるようになったことです。集合住宅に住んでいるので夜の大きな音には気を遣うのですが、立体感のある音作りのおかげで、控えめな音量でも映画館に近い雰囲気を味わえるようになりました。近所を気にせず映画を楽しめるようになったのは大きな変化でした。

スピーカーの配置は部屋の形で試行錯誤した

最初は適当に置いていましたが、部屋の形に合わせて角度を微調整しただけで音の広がり方がかなり変わりました。設置後も焦らず位置を調整してみる価値はあると思います。

音まわりではもう一つ、作品ごとの音量差でつまずいた経緯を作品ごとの音量差に耐えかねて夜間モードを使い始めたきっかけでも触れています。

よくある疑問

テレビの内蔵スピーカーだけでは足りませんか

足りるかどうかは部屋の広さと見る時間帯次第です。私の場合、音声設定と字幕で不満の大半は消えました。まず設定を触ってから判断しても遅くないと思います。

イヤホンではだめですか

一人で集中して見るならイヤホンで十分です。ただ長時間つけていると耳が疲れるのと、周りの音が聞こえなくなるのが難点でした。そこが気になるなら、肩に載せるタイプのほうが向いています。

見送って不便なことはありませんか

人を呼んで一緒に映画を見るときだけは、テレビの音のままなので少し物足りません。年に数回のことなので許容していますが、その頻度が高い家なら結論は逆になるはずです。

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