タブレットスタンドで後悔した6つの点|寝ながら見るときの見落とし

ベッドに寝転がったままスマホで映画を一本見終えて、起き上がった瞬間に首の後ろが固まっているのに気づいた。最初はたまたま寝相が悪かっただけだと思っていたのだけれど、それが週に三回、四回と続くようになって、さすがに視聴の姿勢そのものを疑い始めた。作品が悪いわけでも、見る時間が長すぎるわけでもなく、単純に端末を持つ手の位置と目線の高さが噛み合っていなかった、というのが結論だった。

手っ取り早い解決策として、枕元に置ける角度調整つきのスタンドを一つ用意した。実際に探すときはタブレットスタンドの一覧から、アームの長さと固定方法だけを見比べて決めた。ただし一台目は結局ひと月で使わなくなった。買い直して今のものに落ち着くまでに、事前に確かめておけばよかった点がいくつも出てきたので、そこを先に書いておきたい。

一台目で懲りたのは、寝ている顔の真上にアームが伸びる形だったことだ。買い直したときは顔の上に落ちにくい構造のアーム式スタンドのように、支点が体の横に来るものを選んだ。同じ「ベッド用」でも、腕がどこから伸びるかで安心感がまるで違う。

先に結論:合う使い方と、合わない使い方

同じ製品でも、どこにどう置くかで評価がまるで変わる道具だった。自分の環境に当てはめてから買うかどうかを決めたほうがいい。

  • 置きっぱなしにできる場所がある人には合う。毎回出し入れする前提だと続かない
  • 仰向けで長時間見る人には効く。横向きで見る癖がある人には角度が合わせにくい
  • 端末が軽いほど扱いやすい。重いものを付けるならアームの太さが正義になる
  • 寝落ちしやすい人ほど恩恵が大きい。顔に端末が落ちてこなくなる
  • ベッドの縁に挟む形が使えない構造の寝具だと、そもそも候補が半分に減る

「後悔した」と言われやすい三つの理由

写真の角度と実際の角度が違う

商品写真はたいてい真横から撮られていて、画面がきれいに水平を向いている。ところが寝た状態の目線は真上ではなく、少し斜め上を向いている。写真どおりに設置すると画面が上を向きすぎて、首を持ち上げないと全体が見えないという状態になった。角度が何度まで倒れるかという数字は書いてあっても、寝ている自分の目線に対して何度なのかは誰も教えてくれない。

固定方法が三種類あって、互換性がない

床に置く自立型、ベッドの枠に挟むクランプ型、マットレスの下に板を差し込む型の三つがある。名前は似ていても設置できる寝具がまったく違う。うちのベッドは枠が幅広くてクランプが噛まなかったので、買ってから使えないことに気づいた。

「グラつかない」の基準が人によって違う

レビューに出てくるグラつきの話は、たいてい画面をタップしたときの揺れを指している。ところが寝ながら見る場合はタップの回数自体が少ないので、それより問題になるのは寝返りで布団が動いたときの揺れだった。評価されている軸と、自分が困る軸がずれていた。

ベッド脇のナイトテーブル。タブレットスタンドの土台を置く位置を決める

実際に使って後悔した六つの点

一台目はアームが短すぎた

いちばん効いたのがこれだ。アームの長さが足りないと、画面が体の真上ではなく胸のあたりの延長線上に来てしまう。そうすると結局、顎を引いて見下ろす姿勢になり、手で持っていたときと変わらない。カタログの数字では足りるはずだったのに、土台をベッドの横に置くと、その分だけ横方向に距離を食われるのを計算に入れていなかった。

関節が多いほど、狙った位置で止まらない

自由度が高いほうがいいと思って関節の多いものを選んだが、実際は逆だった。一箇所を動かすと別の箇所がつられて下がるので、決めたい位置に持っていくまでに何度も締め直すことになる。毎晩これをやるのは面倒で、二台目は関節を二つに絞った。

充電しながら使うと、コードが折れる向きになる

挿し込み口が下を向く角度で固定されるので、ケーブルが根元から真下に折れる形になった。数日で挿し込みがゆるくなりかけて気づいた。土台の向きを九十度変えるだけで解決したけれど、毎晩使うものなので、この取り回しは買う前に想像しておいたほうがいい。

枕元の目覚まし時計。スタンドを置くとベッドサイドの物の置き場所が変わる

土台が思っていたより場所を取る

倒れないようにするには土台に重さと面積が要るので、安定するものほどベッドサイドを占領する。目覚まし時計と充電器を置いていた場所がそのまま消えた。スタンドを導入すると、その周辺の物の置き場所も一緒に決め直すことになる。

横向きで見る日には結局使わない

仰向けのときは完璧なのだが、体を横に向けたい日には画面の向きが合わない。首をひねって見ることになるので、そういう日は諦めて手に持っている。毎日必ず使う道具にはならなかった。

掃除のときに邪魔になる

床置き型は脚が広がっているので、掃除機をかけるときに毎回どかす必要がある。軽いものなら片手でずらせるが、安定重視で重いものを選ぶとこれが地味に効いてくる。安定と取り回しは、どこかで必ず交換条件になる。

それでも手放していない理由

不満を並べたが、二台目に買い替えてからは定着している。理由ははっきりしていて、腕を下ろせるからだ。仰向けで端末を持つと、腕を胸の上に立てるような姿勢になる。腕が重くなってくると無意識に肘を体に寄せ、画面を顔に近づける。すると顎が引けて、首の後ろが伸びきったまま固定される。この流れが一時間続けば、翌朝に張りが残るのも当然だった。

スタンドに任せてしまえばこの連鎖が起きない。画面の位置は最初に決めた高さから動かないし、途中で持ち替える必要もない。姿勢を意識して直そうとするよりも、手に持たなくて済む状態を作るほうがずっと確実だった。

もう一つ良かったのが、寝落ちしても端末が顔に落ちてこなくなった点だ。以前は眠りかけた拍子に鼻の上に落とすことが月に何度かあって、そのたびに完全に目が覚めてしまっていた。今はそれがないぶん、眠くなったらそのまま眠れる。寝落ち対策にスリープタイマーを設定した話と組み合わせると、見ながら眠る前提で環境を作れる。

ベッドサイドの照明。寝ながら画面を見るときの明るさと反射を確かめる

買う前に測っておく四つの数字

一台目の失敗は、全部これを測っていなかったことに尽きる。巻き尺を五分使えば避けられた。

  • 土台を置ける位置から、枕に頭を乗せたときの目の真上までの距離。これがアームに必要な長さになる
  • ベッド枠の厚みと幅。クランプ型が噛むかどうかはこの二つで決まる
  • 使う端末の重さ。同じ製品でも対応重量の上限は幅がある
  • ベッドサイドの空きスペースの奥行き。土台を置いたあと、何が置けなくなるかが分かる

二台目で変えた三つのこと

  • 関節の数を減らした。動かせる範囲は狭くなったが、狙った位置で止まる
  • アームは必要な長さより一回り余裕のあるものにした。短いと取り返しがつかない
  • 土台は面積より重さで安定するタイプを選んだ。足元の掃除がしやすい

ちなみに音のほうは、寝る前の時間帯だと家族に気を使って小さくしがちで、そうすると台詞が聞き取れず結局身を乗り出すことになる。これも姿勢が崩れる原因だったので、イヤホンを併用するようにした。通勤中に音声だけで視聴するようになった話で使っているものをそのまま流用している。

設置した初日にやっておくとよかったこと

  • 実際に寝転がって、画面の四隅が首を動かさずに見えるかを確かめる
  • 充電ケーブルを挿した状態で角度を最大まで倒し、根元が折れないか見る
  • 寝返りを一往復して、肩や腕が土台に当たらない位置まで下げる
  • 関節を締める強さを決めて、そこから先は毎晩いじらないと決めてしまう
  • ベッドサイドから追い出される物の行き先を、その日のうちに決める
  • 暗い部屋で画面の反射が目に入らない向きかどうかも見ておく

よくある疑問

スマホだけならクッションで代用できないか

短時間なら足りる。ただしクッションは沈むので、三十分もすると角度が変わっていく。そのたびに直すのが面倒で、自分は結局スタンドに戻した。一本見るなら固定できるほうが楽だった。

安いものと高いものでは何が違うのか

体感で差が出るのは関節の締まり具合と土台の重さで、この二つは価格に比例しやすい。逆に対応サイズや角度の可動域は、安いものでも数字上は同じことが多い。数字が同じでも止まり方が違う、というのが一台目と二台目の一番の差だった。

旅行先に持っていけるか

安定するものほど重いので、持ち運びには向かない。外泊先では別の工夫をしていて、その内容はホテルでVODを見るときの持ち物のほうにまとめてある。

結局、環境を整えるといっても大掛かりなことはしていない。画面を手放して、高さを合わせて、コードの向きを直しただけだ。それでも朝に首の張りが残ることはなくなったし、寝る前に一本見ることへの心理的なハードルも下がった。一台目で失敗した身としては、買う前に巻き尺を当てる五分だけは惜しまないほうがいいと思う。

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