一年ぶりに新シーズンが配信された海外ドラマを、前情報なしで一話目から見始めてしまったことがあります。誰が誰だったかも、前のシーズンがどう終わったかも思い出せないまま、登場人物たちだけが当然のように話を進めていきます。三十分ほど粘ったところで一時停止して、結局あらすじを検索することになりました。あの十分間ほど無駄な時間はなかったと思います。
それ以来、新シーズンに手を出す前に必ず前シーズンのあらすじを読み返すようにしています。習慣にしてしまえば手間はほとんどかからず、一話目の入り込み方がはっきり変わりました。
読み返すのは公式の説明文ではなく最終話の要約
最初は配信画面に出てくるシーズン全体の説明文を読んでいたのですが、あれは宣伝用の文章なので、自分が実際に忘れている部分とはあまり噛み合いません。数行で全体の雰囲気を伝えるように書かれていて、細かい人間関係までは触れていないからです。
今は前シーズンの最終話だけを対象にして、その回で何が起きたかを探すようにしています。続きものの記憶は、最後の展開さえ戻ってくれば、そこから逆算するように前の出来事も自然と思い出せます。全部を思い出そうとしないほうが、かえって早いと分かってきました。
読む量は、五分もかからない程度で十分です。あまり丁寧に追いかけると、次のシーズンに関わる伏線の考察まで目に入ってしまい、見る前から余計な情報を抱え込むことになります。実際に一度それをやってしまい、犯人が誰かを匂わせる一文を読んでしまったことがありました。それ以来、読むのは出来事の羅列だけにして、感想や予想が書かれている部分は避けています。
最終話だけ十分ほど見返すのも案外効く
文章を読むより手っ取り早いこともあって、最近は前シーズンの最終話を最後の十分だけ再生する方法もよく使っています。映像で見たほうが人物の顔と名前が一致しますし、そのシーズン特有の空気感まで戻ってきます。文字だと「あの人がどういう見た目だったか」までは補えないので、久しぶりの作品ほどこちらのほうが向いています。
ただしこれは、その作品がまだ配信されている場合に限ります。前のシーズンだけ配信が終わっていることも珍しくないので、そういうときは素直に文章を読んでいます。配信状況は変わりやすいので、続きを見る予定がある作品ほど早めに確かめておいたほうがいいでしょう。
この習慣を続けていて意外だったのは、あらすじを読んだ時点で「もういいか」となる作品がそこそこあることです。一年前に夢中で見ていたはずなのに、内容を読み返しても続きが気になりません。惰性で追いかけていただけの作品を、ここで一つ手放せるようになりました。逆に、あらすじを読んだ瞬間に細かい場面まで一気に戻ってくる作品は、間違いなくその年の当たりだったのだと分かります。
新しい作品との出会い方については新作通知をオンにしてからの変化のほうに書きましたが、続きものを気持ちよく見るには、こうした思い出す側の工夫のほうが効いている気がします。ついでに言うと、久しぶりのシーズンは字幕と吹き替えの使い分けも前と同じ設定にそろえたほうが違和感がありません。声のイメージが変わると、記憶のほうが引っかかってしまいます。
あらすじをどこまで読むか
読み返すと決めたあとに引っかかったのが、どこまで読むかという線引きでした。
あらすじは長さで書き手の意図が透ける
いくつも読んでいるうちに気づいたのは、あらすじの長さそのものが情報になるということです。極端に短いものは、内容よりも雰囲気で売りたい作品であることが多い。逆に長いものは、設定が複雑で説明しないと伝わらない作品が多い印象でした。
どちらが良いという話ではなく、自分がその日どちらの気分かで選べばいい、という使い方に落ち着いています。頭を使いたくない日に設定の込み入った作品を選ぶと、たいてい途中で止まります。
読む範囲を最初の三文までに決めた
今は、あらすじを最初の三文までしか読まないと決めています。三文あれば、いつの時代の話か、誰が主役か、何が起きるのかはだいたい書いてあります。それ以上は展開に踏み込み始めるので閉じます。
この線を引いてから、見る前に結末が見えてしまう事故が減りました。レビューを見るタイミングを見た後にずらした話はレビューの点数をあてにしなくなった記事に書いていますが、あらすじも同じで、事前に取る情報は少ないほうが結果的に満足度が高いようです。
三文で判断がつかないときの勘所
それでも迷う作品はあります。そういうときに見ているのは、あらすじではなく本編の最初の5分です。冒頭の映像と音の作り込みを見れば、丁寧に作られているかどうかは素人でも何となく分かります。
合わなければそこでやめてよく、この見切りについては切り上げるときの線引きのほうで詳しく書きました。あらすじで悩む時間より、5分再生してしまうほうが早いことが多いです。
結局のところ、選ぶ作業に時間をかけすぎないための工夫という話でした。三文読んで、迷ったら5分見る。今のところこれで大きく外していません。
ジャンル表記はあてにしていない
あらすじと並んで表示されるジャンルの表記も、以前は判断材料にしていました。今はほとんど見ていません。同じ作品が「ヒューマンドラマ」とも「サスペンス」とも書かれていることがあって、どちらの顔で売るかという都合で決まっている印象を受けたからです。
特に外れやすいのが「コメディ」でした。笑える場面があるだけで分類されていることが多く、期待して再生すると重い話だった、ということが何度かあります。分類は探すための入り口としては便利ですが、中身の保証にはなりません。
三文で分かるのは相性であって出来ではない
念のため書いておくと、この方法で分かるのは「今の自分に合うかどうか」だけです。作品として優れているかどうかは、三文どころか最後まで見ないと分かりません。
だから、切り上げた作品を「つまらなかった」と決めつけないようにしています。時期を変えて再生したら最後まで見られた、という経験が何度かあるからです。合わなかっただけの作品と、本当に合わない作品は別物でした。
一度やめた作品はメモに残しておいて、半年ほど経ってから再挑戦することにしています。同じ三文を読んでも、そのとき引っかかる箇所が違うことがあります。


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