誰もが名前を知っている古典的な名作を、いくつも見ないまま来ました。配信に入っているのは知っているし、時間がないわけでもない。それでも毎回そのアイコンを素通りして、新作を選んでしまいます。
言い訳はいつも同じだった
自分がどう理由づけしているかを書き出してみたら、毎回ほとんど同じ三つでした。「疲れている日に重い作品は無理」「白黒だと集中が続かない気がする」「どうせなら大きい画面で見たい」。
並べてみると、どれも作品の中身とは関係のない話です。しかも三つ目にいたっては、条件を整える日を待っているだけで、その日は永遠に来ません。
条件を待つのをやめてみた
そこで、条件が揃っていない状態のまま1本再生してみました。平日の夜、疲れた頭で、テレビではなく手元の画面で。結果を言うと、これが思いのほか良かったのです。
身構えずに見たせいか、「名作を鑑賞する」という気負いがなくなって、単純に話として面白く追えました。集中が続かないのではという心配も外れて、むしろ古い作品は展開が丁寧なぶん置いていかれません。
身構えを外すためにやったこと
とはいえ最初の1本は勢いが要ります。やって効いたのは次のあたりでした。
- 解説や評価を事前に読まない。構えができてしまう
- 上映時間の短いものから選ぶ。90分台なら手が出る
- 途中でやめてよいことにしておく
- 見たあとに感想を人に話そうとしない
四つ目が意外に大きかったです。何か気の利いたことを言わなければ、という意識があると鑑賞が作業になります。黙って見て、一行だけ記録に残すくらいでちょうどよいと感じました。
結局、後回しにしていたのは作品のせいではなく、こちらが勝手に上げていたハードルのせいでした。そう分かってからは、月に1本ずつ崩しています。作品の選び方は吹き替えの声から選ぶ話のような入り口も併用しています。
実際に崩した1本目のこと
最初に見たのは、上映時間が90分ほどの白黒の作品でした。選んだ理由は短かったからで、内容についてはほとんど何も知りません。冒頭の10分で「これは合わないかもしれない」と思ったのですが、そこを越えたら急に引き込まれました。
意外だったのは、古い作品ほど説明が丁寧なことでした。今の作品に慣れていると情報の出し方がゆっくりに感じますが、その代わり置いていかれません。疲れている日に向いていたのは、むしろこちらのほうでした。
2本目以降で気づいた選び方
続けてみると、同じ「名作」でも自分に合うものとそうでないものがはっきり分かれました。合わなかったのは、当時の社会状況を知っている前提で進む作品です。背景が分からないと話の重みが伝わりません。
そういう作品は無理に見ず、素の状態で面白く追えるものから順に手をつけています。教養として押さえるつもりでいると続かないので、単純に面白いかどうかで選ぶことにしました。
月に1本のペースなら、年に12本です。数としては多くありませんが、10年動かなかったことを思えば十分な進み方だと思っています。


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