離れて暮らす家族と同じ作品を同時に見る機能を試した感想

実家の親と同じ作品を、離れた場所から同時に見る。配信サービスにそういう機能があると知ったのは、去年のことだった。画面を共有して、チャットで感想を送り合いながら見られるという説明を読んで、正直なところ半信半疑だった。

結論から書くと、三回試して、二回は楽しかった。一回は途中で断念した。

実際にやったときの流れ

片方が作品を選んで招待用のリンクを送り、相手がそれを開くと同じ再生位置で始まる。誰かが一時停止すれば全員が止まり、巻き戻せば全員が戻る。仕組みとしてはよくできていた。

問題は、こちらの環境ではなく相手の環境にあった。実家の回線が細く、向こうだけ読み込みが入って再生位置がずれる。ずれると自動で待ち合わせが入るので、二人とも止まる。これが五分に一度起きた回は、さすがに中断した。

うまくいった二回は、あらかじめ画質を落としておいた回だった。最高画質にこだわらなければ、途切れはほとんど起きない。画質にこだわるなら知っておきたいポイントとは逆の判断になるが、この機能に関しては安定を優先したほうが体験がいい。

作品選びにも少し気を遣った。年齢の離れた相手と見るので、前提知識がいる続編ものは避けている。一本で完結する作品、できれば二時間以内。三回目に選んだ古い邦画は、向こうが公開当時に劇場で見ていたそうで、こちらの知らない話が出てきた。この選び方は当たりだった。

チャットは使わなくなった

感想を送り合える機能もついているのだが、これは一回目で使うのをやめた。文字を打っているあいだ、画面を見ていない。しかも相手のメッセージが画面の端に出るので、そちらに目が行く。作品に集中できなかった。

二回目からは、チャットは使わずに電話をつないだままにした。無言の時間が長くても構わないという前提で、面白い場面で笑い声が聞こえる程度がちょうどよかった。同じ部屋で見ているときの距離感に近い。

アカウントの扱いには注意がいる

この手の機能は、参加する全員がそのサービスに加入している必要がある場合が多い。片方が加入していないと、招待リンクを開いても再生できない。実家は別途加入していたので問題なかったが、事前に確認しておかないと当日に慌てる。

それと、自分のアカウントで一緒に見るという方法は取っていない。同時視聴の台数制限に引っかかるうえ、視聴履歴が混ざる。アカウントをシェアするときに気をつけていることにも書いたが、履歴が混ざるとおすすめの精度が落ちる。

やってみて残ったもの

技術的には不安定な場面もあったが、見終わったあとに電話をつないだまま二十分ほど話したのは、この機能がなければ起きなかった時間だった。作品の話をしていたはずが、途中から近況の話になっていた。

親にサービスの使い方を教えたときの話は別の記事にも書いたのだが、共通の話題が一つあるだけで、電話をかける口実になる。同時視聴の機能そのものより、そちらのほうが実感としては大きかった。

毎週やるようなものではないと思う。ただ、年に数回、こういう時間があってもいい。

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