ドキュメンタリーを見始めてから気づいた見方の違い

見るものが尽きた週に、ふだん開かないドキュメンタリーの棚を開いた。どうせ退屈だろうと思っていたのに、気がつけば月に何本か見るようになっている。ただし、ドラマと同じつもりで再生した最初の数本は、いずれも途中で止まったままになった。同じ「配信で見る映像」でも、こちらの構え方を変えないと最後まで進まないと分かるまでに、しばらくかかった。

向いている日と、向いていない日がはっきり分かれた

まず気づいたのは、見る日を選ぶということだった。自分の場合、噛み合ったのはこういう日だった。

  • 頭は動いているのに、外に出る気力だけがない日
  • 次に何を見るか決めるのが面倒で、選ぶ手間を減らしたい日
  • 前の晩に重い連続ドラマを見終えて、物語から少し離れたい日
  • 作業の手は止めてもいいが、一時間は座っていられる日

逆に、こういう日に再生すると高い確率で止まった。

  • 眠くなりかけていて、目を閉じても平気な状態の日
  • 食事をしながら、画面を半分しか見られない日
  • 続きが気になる連続ドラマを途中まで見ている日

ドラマと同じ見方では続かなかった

止まった作品を思い返すと、原因はいつも同じところにあった。自分の側の期待がずれていた。

最初の数分で引き込まれることを期待しない

連続ドラマなら、一話目の冒頭に人を引き止める仕掛けが置かれている。ドキュメンタリーにはそれが無いものが多い。淡々と場所の説明から始まって、十分ほど経ってようやく何の話か分かる、という作りは珍しくない。序盤がつまらないのではなく、そういう構造なのだと分かってからは、最初の十五分は判断を保留するようにした。これだけで、途中でやめる本数がはっきり減った。

ながら見にすると何も残らない

これがいちばん大きかった。ドラマは半分聞き流しても筋を追えるが、ドキュメンタリーは説明の一文を聞き逃すと、その後の十分が意味を失う。洗濯物を畳みながら見た回は、終わってから内容をほとんど思い出せなかった。手を動かしたい日には向かない、と割り切ってからのほうが満足度が上がった。

最後にきれいな結論が出るとは限らない

物語なら終わりに何かが解決する。ドキュメンタリーは、問題を並べたまま終わることがある。最初はそれを消化不良だと感じていたが、そういうものだと思って見ると、むしろ後に残る。見終わってから何日か考えている作品は、たいてい結論が出ていないほうだった。

選ぶときに見るようになった三つ

棚を眺めているだけでは決まらないので、目安を三つに絞った。

尺が何分か

四十分台と二時間台では、必要な体力がまるで違う。平日の夜に二時間のものを開くとまず終わらないので、平日は一時間以内、休みの日は長いものと決めている。シリーズなら一話の長さを先に見る。

いつ撮られたものか

技術や制度を扱ったものは、数年経つと前提が変わっていることがある。古いから駄目という話ではなく、当時の話として見るのか、今の参考にするのかを先に決めておくという意味だ。制作年が作品情報に出ていないサービスもあるので、そのときは作品名で調べてから再生する。

誰の視点で撮られているか

同じ出来事でも、当事者に寄って撮ったものと、外から俯瞰したものでは別の作品になる。どちらが良いということはないが、続けて似た視点のものばかり見ると飽きる。前に見たものと違うほうを選ぶようにしてから、手が止まりにくくなった。

途中でやめた作品に共通していたこと

最後まで行かなかったものを並べてみると、作品の出来というより、自分の選び方の問題が見えてきた。

  • 前に見たものと題材が近く、途中から既視感が勝った
  • 同じ人が延々と話し続ける形式で、こちらの集中が先に切れた
  • 三部構成の一部だけを単体で再生していて、前提が分からなかった
  • 字幕でしか見られないのに、その日は文字を追う気力がなかった

最後のひとつは意外と多い。字幕で見るかどうかは作品の好みではなく、その日の体力の話だと気づいてから、疲れている日は吹き替えのあるものを選ぶようにした。字幕と吹き替えの向き不向きは字幕と吹き替えのメリット・デメリットのほうに詳しく書いた。

よくある疑問

シリーズものは順番に見たほうがいいか

番号が振られているものは順番どおりがいい。ただし同じ題材を扱った独立した回の集まり、という作りのシリーズもあって、その場合はどこから入っても困らない。作品説明に「第一章」のような表記があるかどうかで見分けている。

重い題材のものが多くて身構えてしまう

たしかに多い。ただ、動物や自然、街の風景を追っただけのものや、ものづくりの工程を延々と映すだけのものもあって、そちらは気楽に見られる。重いものばかり並ぶのは、おすすめ欄が一度見た傾向を拾い続けるせいでもある。偏ってきたと感じたときの戻し方は見るジャンルが偏ってきたときの崩し方に書いた。

見ている途中で眠ってしまう

自分もよくある。途中まで見た記録は残るので、翌日にその手前から再生し直すようにしている。ただ、二回続けて同じところで眠るなら、その作品はいまの自分に合っていないと判断して閉じることにした。無理に消化しても内容が残らない。

まとめ

ドキュメンタリーが続かなかったのは、作品のせいではなく、ドラマと同じ構えで再生していたからだった。序盤で判断しない、ながら見にしない、結論を求めすぎない。この三つを変えただけで、最後まで見られる本数が目に見えて増えた。選ぶときは尺と制作年と視点を見る。それだけでも、開いてすぐ閉じることはかなり減ると思う。

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