夜の九時を過ぎると映像が止まる。読み込み中の丸が回り、数秒待たされて、画質が一段落ちた状態で再開する。それが毎晩のように起きていた。回線の契約プランを疑って明細まで確認したのだが、昼間は何の問題もなく再生できる。混雑する時間帯だから仕方ないのだろうと、半年くらい放置していた。
結論から書くと、原因は回線ではなく無線ルーターのほうだった。買い替えたその日から、夜の停止がぱたりと止まった。同じような症状で悩んでいる人は現行世代の無線ルーターを一度候補に入れてみてほしい。
気づいたきっかけは接続台数だった
ルーターの管理画面を初めて開いてみたら、接続中の機器が十四台あった。数えてみると、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、テレビ、ゲーム機、スマートスピーカー二台、照明のハブ、掃除機、体重計、プリンタ。使っている実感がないものも常時つながっている。
使っていたルーターは七年前に買ったもので、当時の推奨接続台数は十台程度だった。上限を超えていたわけではないが、余裕もない。しかも夜は家族全員が同時に何かを見ている時間帯で、そこに動画の再生が重なる。回線が細いのではなく、家の中の分配で詰まっていたという話だった。
買い替えで見た項目
選ぶときに見たのは、推奨接続台数と、複数機器へ同時に電波を割り振る機能の対応、それから設置場所に合う形状の三つだった。速度の最大値は正直あまり参考にしなかった。家の回線の契約速度を超える性能があっても意味がないからだ。
置き場所も一緒に見直した。それまでは玄関脇の収納棚の中に押し込んでいたのだが、扉を閉めると電波が減衰する。廊下の途中の棚の上に、床から一メートルほどの高さで、周囲に金属がない状態で置き直した。この位置替えだけでも、寝室での電波表示が一段階増えた。
変わったのは停止だけではなかった
いちばん助かったのは、当然ながら夜の停止が消えたことだ。二時間の映画を途中で止まらずに見られるというのは、思っていた以上に体験が違う。停止のたびに集中が切れていたのだと、なくなってから気づいた。
副次的な効果もあった。再生開始までの待ち時間が短くなり、リモコンで作品一覧をスクロールしたときのサムネイル表示も速い。動画そのものより、こういう細かい待ちのほうが体感に効いていたらしい。画質にこだわるなら知っておきたいポイントで書いたような高画質設定も、環境が追いつかないと結局落とされるので、順番としては環境が先だと思う。
もっとも、これで全部解決したわけではない。テレビは結局その後、有線でつなぎ直している。無線でも止まらなくなったが、有線のほうがさらに安定していた。先にダウンロードしておく方法も併用すると、外出先で見るときの不安はほぼなくなる。
買い替えたのは接続台数に余裕のあるタイプで、設定はスマートフォンのアプリから三十分ほどで終わった。七年放置していたわりに、あっけない解決だった。
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