録画をやめて配信一本にしたときの割り切り

録画機の残量が常に八割を超えていて、何かを見るたびに何かを消していた。この状態がずっと続いていたのだけれど、去年の秋に録画をやめて配信だけにした。完全に困らなくなったわけではなく、いくつか諦めた部分がある。そのうえで、戻す気にはならないという話をしたい。

消すか残すかで迷った円盤は、ディスク用の収納ケースにまとめて立てるようにした。棚一段に収まる量まで絞ると決めたら、手放す作品も自然に決まった(別の通販サイトの取り扱いページもある)。

きっかけは録画機の調子が悪くなったことだった。買い替えるかどうか考えているうちに、そもそもここ半年で録画から見た番組が数えるほどしかないことに気づいた。撮ってはいるが見ていない。見ているのは結局、配信で好きなときに再生できるもののほうだった。

諦めることになったもの

配信一本にすると決めた時点で、いくつかは手放すことになると分かっていた。実際に困ったのは次のあたりだ。

  • 配信されないバラエティ番組。特に地方局のものは代わりがない
  • 放送直後に話題になる番組をその日のうちに追えないこと。配信開始が数日後になるものもある
  • スポーツ中継。生で見るか諦めるかの二択になった
  • 作品によっては配信期間が終わると見られなくなる。手元に残らないという不安は最後まで残った

このうち、バラエティとスポーツについては正直に言って割り切った。見られない日は見ない、で済ませている。以前は録っておけば安心だったものが、見ないまま消える運命だったことを思えば、結果としてはあまり変わっていない。

ソファとテレビ台を置いた明るいリビング

代わりに手に入ったもの

一番大きかったのは、見るものを選ぶときに残量を気にしなくなったことだ。録画をしていた頃は、消化しなければならない番組が常に列を作っていて、見たい作品より先に処理すべき番組があった。あれは趣味ではなく作業になっていたと思う。今は、見たいと思ったものをその場で開くだけになった。

もう一つは、リビングの配線と機器が減ったこと。録画機を外したことでケーブルが二本消え、テレビ台の中がすっきりした。埃の掃除が明らかに楽になったのは予想外の副産物だった。

配信期間の終了については、見つけた時点で優先的に見るという運用で対処している。一覧の並び順を追加日順に変えた話で書いた設定と組み合わせると、追加されたものと消えそうなものの両方が把握しやすい。あとは短編だけ見る週をつくった話のように、消化の負荷が上がりすぎない工夫をいくつか挟んでいる。

録画をやめて困る人は確実にいると思う。地上波の番組を細かく追いたいなら、この選択は向いていない。ただ、録るだけ録って消していた自覚があるなら、一度手放してみると自分が本当に何を見ていたのかがはっきりする。自分の場合、その答えが想像よりずっと少なかったというだけの話だった。

家族の反応は割れた

自分ひとりの都合で決めた話ではあるので、家族には一応相談した。反応は割れて、ドラマをまとめて見る側からは特に反対がなく、朝の情報番組を録って夜に見ていた側からは不満が出た。結局その用途については、配信で同じ内容が短くまとまって出ていることが分かって落ち着いたのだけれど、同居している人がいるなら、誰が何のために録画を使っているかを先に洗い出しておいたほうがいい。自分は「たぶん誰も使っていない」と勝手に判断して進めたので、ここは反省点として残っている。

それから、配信サービスの契約本数は増やしていない。録画をやめたぶんを新しいサービスの契約に回してしまうと、支出も管理する対象も元通りになる。増やしたくなる場面は何度かあったが、見たいものが一つあるだけで年間契約するのは高くつくので、そういうときは単話課金で済ませるようにした。この線引きだけは崩さないようにしている。

再生機を手放したあとに残った円盤

録画をやめると決めたあと、機械のほうを手放す段になって別の悩みが出てきた。

捨てられなかったのは中身ではなかった

まず一枚ずつ確認して、配信で見られるかどうかを調べた。二十数枚のうち、十九枚はどこかのサービスに入っていた。つまり中身に困ることはない。それでも手が止まったのは、買ったときの記憶のほうに未練があったからだと思う。

特典映像やブックレットが付いているものは、配信では見られない。ただ、正直に言えばその特典を最後に開いたのがいつだったか、まったく思い出せなかった。

取捨の線を三つに絞った

迷い続けても進まないので、判断の線を決めました。

  • 配信で見られて、特典に思い入れもないものは手放す
  • 配信になく、今後も入りそうにないものは残す
  • 特典の中身を今すぐ説明できないものは、手放す側に寄せる

三つ目の線が効いた。「いつか見るかもしれない特典」は、内容を覚えていない時点で今後も見ないだろう、という判断だ。この基準で残ったのは4枚だけだった。

残した4枚は再生手段ごと考え直した

問題は、残した4枚をどうやって見るかだ。再生機を買い直すのは本末転倒なので、当面は「持っているだけ」の状態を受け入れることにした。見たくなったときに借りるなり考えればよく、そのために機器を常設する必要はない。

手放したぶん、押し入れの上段が丸ごと空いた。そこに季節ものを移せたので、実質的な効果は収納のほうに出ている。

物として持っているかどうかと、いつでも見られるかどうかは、もう別の話になっている。当たり前のようでいて、実際に押し入れを開けるまで実感がなかった。作品の管理は複数サービスの使い分けルールのほうに寄せている。

手放し方でも一度迷った

処分すると決めてからも、方法で少し迷った。まとめて資源として出すのか、必要としている人に回るようにするのか。結局は状態のよいものだけ選んで店に持ち込み、残りは自治体の区分に従って出している。

持ち込みのために状態を確認していたら、盤面に傷が入っているものが何枚かあった。再生機がない期間に積み重ねて置いていたせいだと思う。そもそも再生できたかどうかも怪しく、余計に踏ん切りがついた。

ケースだけ残す選択もあった

作業中に思いついたのが、ジャケットだけ残すという手だ。愛着があるのは中身よりも表紙のデザインだったので、それなら薄いファイルに移せば場所を取らない。

実際に3枚ぶんだけそうしてみたが、その後開いたことは一度もない。結局これも「いつか見返すかもしれない」の変形で、置き場所を小さくしただけの先送りだった。次に整理するときは、この3枚も対象にするつもりだ。

物を減らすときは、小さくして残す方法があるとつい選んでしまう。判断を先送りしている自覚だけは持っておこうと思った。

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