次に何を見るか決めるとき、ジャンルでも監督でも出演者でもなく、吹き替えの声で選ぶことがある。
変な選び方だと自分でも思っていたのだが、続けてみると外れが少ない。少なくとも「最後まで見られる確率」については、あらすじで選ぶより高い。
きっかけは配役の重なりに気づいたこと
ある海外ドラマを吹き替えで見ていて、主人公の声に強い聞き覚えがあった。調べてみたら、数年前に最後まで見きった別の作品の主演と同じ人だった。さらに遡ると、途中でやめた作品にはその人が出ていない。
偶然かと思って、記録していた視聴メモを見返した。評価の高かった作品の吹き替え担当を並べると、同じ名前が三つ四つ繰り返し出てくる。声の相性というものが、思っていたより自分の評価に影響していたらしい。
実際の探し方
配信サービスの検索欄に声の担当者の名前を入れても、たいていは何も出てこない。出演者としては登録されていないからだ。自分は次の手順で探している。
- 作品情報のページで吹き替え版のキャスト表記を確認する(記載がない場合はエンドロールの最後に出る)
- その名前で外部の作品データベースを検索し、担当作品の一覧を出す
- 一覧の中から、加入しているサービスで配信されているものを探す
三番目がいちばん手間だが、複数サービスの横断検索ができるサイトを使えば数分で済む。複数のサービスを使い分けるルールを決めてからは、どのサービスに何があるかの見当もつくようになった。
同じサービス内であれば、吹き替え版の作品情報にキャストが並んでいることも増えてきた。数年前はほとんど載っていなかったので、この点は明らかに探しやすくなっている。
この選び方の弱点
もちろん万能ではない。同じ人が担当していても、作品のジャンルが極端に違えば印象は変わる。コメディで好きだった声が、シリアスな作品では別人のように聞こえることもある。声で選んだせいで、まったく好みでないジャンルに踏み込んでしまったことも何度かあった。
それと、吹き替え版が用意されていない作品は当然この方法では選べない。字幕のみの配信は珍しくないので、選択肢としては全体の一部にとどまる。
あとは、同じ人の声が続くと飽きが来る。三本連続で同じ担当の作品を見たときは、四本目で急に耳が慣れすぎて、台詞が流れていくだけの感覚になった。間に別の作品を挟むようにしている。
結果としてジャンルの幅は広がった
弱点として書いた「好みでないジャンルに踏み込む」という点は、裏返すと利点でもあった。自分では絶対に選ばなかった法廷ものや、時代設定の古い作品を見ることになり、そのうち何本かは高く評価している。あらすじで選んでいると、どうしても同じ方向にばかり寄っていく。
入り口が声だけなので、内容についての先入観がないまま見始められるのも大きい。予告編を見て期待値を上げすぎることもない。予告編を先にまとめてチェックする方法とは正反対のやり方だが、どちらも「選ぶ手間を減らす」という点では同じ方向を向いている。
吹き替えそのものの活用については副音声・吹き替えを使いこなす話にも書いた。声を手がかりにするやり方は、少なくとも自分には合っていた。


コメント