海外ドラマで覚えた言い回しを声に出してみたときの落差

海外ドラマを字幕で見続けていると、聞き取れる台詞が少しずつ増えてくる。あの言い回し便利だな、と思って頭の中にストックしていた表現もそれなりに溜まっていた。ところが、実際に人と話す場面でそれを使おうとしたら、驚くほど何も出てこなかった。頭では分かっているのに口が動かないという、あの感覚である。この落差を埋めたくてオンライン英会話ネイティブキャンプの無料体験を試してみたのが、今回の話のきっかけだ。

そもそも自分は、配信サービスで英語に触れる時間だけは人並み以上にあった。海外ドラマを字幕付きで見返したときの話にも書いたが、同じ回を字幕あり・なしで往復するようなことも普通にやっている。それでも「聞ける」と「話せる」がまったく別の能力だというのは、頭で理解していたつもりでも実感としては分かっていなかった。

ドラマで覚えた表現が出てこない理由

試してみて分かったのは、ドラマで覚えた表現は「その場面とセットで」記憶されているということだった。刑事が容疑者に詰め寄る場面の言い回しは、その状況が目の前にあれば思い出せるのに、日常会話でいきなり呼び出そうとすると引っかかりがない。自分の中に索引がないまま、映像という棚にだけ並んでいる状態だったのだと思う。

もう一つは速度の問題だ。字幕を追いながら見ているときは、耳と目の両方で処理しているので、実際の聞き取り能力よりかなり底上げされている。音声だけを相手にすると、自分が思っていたより一段も二段も遅い。ここも、見ているだけでは絶対に気づけない部分だった。

予約なしで受けられる形式が続いた理由

英会話の類は過去にも何度か手を出して、いずれも予約を取るのが面倒になって止めている。今回続いているのは、思い立った時点でレッスンを始められる形式だったからだ。ドラマを一話見終わって、まだ頭が英語のリズムのまま残っている、その十分間にそのまま話す。この繋げ方ができると、視聴と練習が別々の予定にならない。

実際にやっているのは大したことではなくて、その日見た回のあらすじを自分の言葉で説明してみる、という程度である。言えなかった部分がそのまま自分の穴なので、次に同じ作品を見るときの聞きどころが自然に決まる。深夜に語学講座を視聴の流れに組み込んだときの話と同じで、既にある習慣の隣に置くのが一番続く。

注意点を挙げるとすれば、レッスンが受け放題だからといって詰め込むと、ドラマを見る時間のほうが削られて本末転倒になるという点だろうか。自分は一日一回、長くても十五分と決めている。上達を急ぐ目的ではなく、見て終わりにしないための出口として使っているだけなので、これくらいがちょうどいい。

結果として英語力が飛躍的に伸びたかというと、そこまでの実感はまだない。ただ、ドラマの中の台詞が「聞こえてくるもの」から「自分でも使えるかもしれないもの」に変わったのは確かで、同じ作品を見ていても引っかかる箇所が明らかに増えた。見るだけで終わっていた時間に出口をつけると、こういう変化が出るらしい。

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