同じ部屋で別々の作品を見るときの間合い

同じリビングで、相手はテレビでスポーツ、こちらはタブレットで映画。この状態がうまくいくかどうかは、ほぼ音の扱いで決まると分かってきました。映像はそれぞれの画面を見ればいいのですが、音だけは部屋の中で混ざります。

先に結論を書くと、うちではBluetoothトランスミッターを使ってテレビ側の音を手元のイヤホンに飛ばす形に落ち着いています。ただ、そこにたどり着くまでにいくつか回り道をしました。

最初は音量の譲り合いで解決しようとした

はじめは互いに音量を下げる方向で調整していました。ところがこれは両方が我慢する形になるので、どちらも内容が頭に入りません。特に会話中心の作品は、少し下げただけで台詞が聞き取れなくなります。

次に試したのが時間をずらす方法です。これは有効でしたが、スポーツ中継のように放送時間が決まっているものが相手だと使えません。ずらせない日が必ず出てきます。

ソファとローテーブルを置いたリビングの一角

片方だけ耳を塞ぐと会話が成立しなくなる

イヤホンを使い始めた当初につまずいたのが、話しかけられても気づかない問題でした。相手からすると無視されている形になるので、これはこれで具合が悪い。今は片耳だけ使うか、外音を取り込める状態にしておくことで折り合いをつけています。

音量差そのものへの対処は夜間モードを使い始めた話に書きましたが、家族が同室にいる場合は機器側の設定だけでは足りませんでした。

今の間合いに落ち着くまで

結局、うまくいっているのは次の組み合わせです。テレビ側の音を飛ばして相手がイヤホンで聞き、こちらはタブレットの音を小さめに出す。逆でもよいのですが、動かない側の音を飛ばすほうが取り回しが楽でした。

大事なのは、どちらか一方だけが我慢する形にしないことだと思います。片方が毎回譲る運用は長続きせず、結局そのうち「じゃあ別の部屋で見る」という話になってしまいます。

接続が切れる問題でつまずいた

導入直後にひとつ困ったのが、音が途切れる現象でした。部屋の反対側まで歩くと切れる、電子レンジを使うと乱れる。最初は機器の相性を疑ったのですが、原因は置き場所でした。テレビ台の中に押し込んでいたせいで、電波が扉に遮られていたのです。

台の上に出したら、そのあたりの不安定さはほぼ解消しました。無線まわりの不調は置き場所を疑うのが先、というのはルーターを買い替えた話のときにも学んだはずなのに、また同じところで引っかかっています。

映像とのずれをどう扱うか

もうひとつ、音が映像より少し遅れる問題があります。ドラマや映画なら気づかない程度ですが、スポーツ中継だと相手の反応と自分の耳がずれるので気になりました。低遅延に対応した組み合わせにすると改善します。

ただ、完全にゼロにはなりません。うちでは「スポーツを見る側がスピーカーで、映画を見る側がイヤホン」という割り振りにして、ずれが問題になりにくい形に寄せました。機器で解決しきれない部分は、使い方の側で回避したほうが早いこともあります。

見る作品が決まらない夜の決め方

別々に見る日とは逆に、一緒に見ると決めたのに作品が決まらない夜もあります。

決めた三つのルール

やり方はかなり単純で、ルールらしいルールは三つしかありません。

  • その日の担当が作品を決める。もう一方は理由をつけて断らない
  • 担当は当日ではなく前日までに決めておく。座ってから探し始めない
  • 二話まで見て合わなければ、担当の権利を持ったまま別の作品に切り替えてよい

二つ目が思っていたより効きました。ソファに座ってから探すと、選ぶ側にも「早く決めなければ」という圧がかかって、無難な作品に逃げてしまいます。前日のうちに決めておくと、多少とがった選択でも通せるようになりました。

最初の一か月はうまくいかなかった

始めてすぐの頃は、むしろ空気が悪くなりました。相手の担当日に選ばれた恋愛ものを最後まで黙って見て、終わってから「別に面白くはなかった」と言ってしまったことがあります。断らないというルールを、感想も言ってはいけないと勝手に解釈していました。

そこで、断るのは駄目だが途中でやめるのはよい、という三つ目のルールを足しました。合わない作品を切り上げるときの自分なりの線引きでも書いたとおり、私は二話目まで見て引っかかりがなければ切り上げることにしています。その線引きを二人分に広げただけですが、これで「担当日は最後まで我慢する時間」ではなくなりました。

もう一つ変えたのは、担当日を曜日で固定しなかったことです。最初は金曜が私、土曜が相手と決めていましたが、残業で片方が見られない週があると順番が崩れて言い合いになりました。いまは「前回決めなかったほうが次の担当」というだけにしています。カレンダーに書く必要もありません。

半年たって残った効果

いちばん大きかったのは、自分では絶対に選ばない作品を見る回数が増えたことでした。相手の担当日に見た刑事ものを、いまは私のほうが先に続きを見たがっています。逆に、私が選んだ古い特撮を相手が気に入るということもありました。二人の希望が重なる一点を探していた頃は、こういう当たりはまず出てきませんでした。

選ぶ基準そのものも変わりました。以前は評価の点数を見てから決めていましたが、担当日は自分の責任で選ぶので、点数より「相手が知らなそうかどうか」を先に見るようになりました。このあたりはレビューの点数をあてにしなくなってから決めている作品選びの優先順位にも通じる話だと思います。

もちろん、これで毎回すんなり決まるわけではありません。担当日なのに何も思いつかない夜もあって、そのときは素直に順番を飛ばしています。それでも、二十分かけて何も見ずに終わる夜は、この半年で一度もありませんでした。

同じ部屋にいながら別々のものを見るのは、思っていたより設定の話でした。離れた場所で同じ作品を見る話は同時視聴機能を試した記事にまとめています。

同じ部屋でも、あえてソファを離れて机で見る日をつくると集中の度合いが変わりました。その話は机に向かって見る日の話にあります。

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